駆動力が足らないと思った時、Eleven Audioなら強力なパワーが得られます。
新ブランドが世界へ真実の音楽を表現する。ソリッドステート・デュアル・モノアンプは、信じられないスピードで透明度の高い音を出力します。BassやDrumsの鋭いアタック、CymbalとStringsの美しくも滑らかなチューブライクな余韻は経験したことのないものです。Formula Sは超優秀録音と応答性が高いヘッドフォンのためにチューニングされています。申し分がないほどバランスがよく、クリアで滑らかに音源を表現し、優れた低域を出すアンプです。シンプルでありながら素晴らしい、あなたのシステムに欠かせないものです。
"Eleven Audio 'Formula S' high purity Headphone amplifer", Abyss Headphones CEO, Joe Skubinski
長年業務向け音響のマネジメントをしていた私たちがなぜヘッドフォンアンプを作ろうと思ったのか、きっかけはやはりJPS LabsとAbyssの社長Joe Skubinskiです。初めてJoeとAB-1266ヘッドフォンと出会ったのは2014年1月のCES Showでした。この出会いは昨日のことかのように思い出すことができます。私たちが業務機の経験をもとに初の民生機を出すことになり、そのCES ShowではJoeと私たち、他のいくつかのブランドが1つのVenetian hotelのルームをシェアしたのです。JoeはNew Yorkなまりのある英語でおしゃべりをしていました。しかし、そのJoeよりも関心を引いたのはAbyss AB-1266です。こんなヘッドフォンがあるとは、とびっくりしてしまいました。
このAB-1266で音楽を聴くと、自然と目を閉じて、思わず体が音楽のリズムに合わせ、揺れてきました。止められませんでした。2014年 AB-1266がヘッドフォン市場へ一石を投じ、ダイナミック、透明度、サウンドスデージ、想像できないエネルギー、聞いたことのない低域、静電型システムと比較できる細かいディテール等々、今までのヘッドフォンで実現できなかった要素を、全て高い次元で実現できていました。
しかし、良いヘッドフォンには欠点があるもので、このAB-1266は想像できないほど良い音が出るものの、一方、想像できないほど駆動しにくいのです。その時は電源分離型のWoo Audioの真空管アンプで駆動していました。そのアンプは何十キロもあり、移動するには何人も必要なほどの物量でした。
2016年、色々な偶然ときっかけで、私たちはAbyssとJPS Labsの代理店となり、その時AB-1266をうまく駆動できるヘッドフォンアンプを作ることに決心しました。AB-1266がいくら良いヘッドフォンであっても、駆動できるヘッドフォンアンプが無ければ意味がありません。今のFormula Sとなる前に、約50回のチューニングが必要でした。
JoeはこのFormula Sを気に入り、自ら機器内部配線のJPS Labs ケーブルを選定し、本体にWired with JPS Labsのマーキングを許可してくれました。そのケーブルがFoumula Sの完成度と音楽性をさらに高めて、Formula SとAB-1266がベストカップルとなったのです。
AB-1266は駆動しにくいヘッドフォンのため、ユーザーは一般的な出力の大きいアンプと組み合わせがちです。結果としてAB-1266が粗く聞こえる、キツイ、いわゆるアメリカンスタイルな音だと思われてしまいました。これはいけない!ふさげた話です。このような感想が出るのは、そのアンプは出力が大きいだけで、制御力なんかを重要視していないせいです。AB-1266そのものは綺麗な音で、透明感も高く、繊細な部分まで伝えるヘッドフォンです。AB-1266の真価をFormula Sの組み合わせでようやくユーザーに見直していただきました。彼らはサウンドスデージの広さ、繊細クリアーな音、驚くほどのエネルギー感、何を言ってもやはりその低域に感心していました。
Formula Sで鳴らせばAB-1266をアメリカンローカルの筋肉マンサウンドだという人はいないでしょう。
Formula Sについてよく聞かれるのは、なぜバランス入力ではないのか、ということです。簡単に言うと、シングルエンドからバランスに変えるには、コストが倍になるのにもかかわらず、増幅モジュールをLRで2つ増やすだけでしかないのです。
バランスのとれた平衡構造は、偶数高調波は打ち消すものの、奇数高調波が重畳し、最終的に奇数高調波の割合が増加します。聞くとさらにHiFi、音がさらに"素直"になります。しかし、一方で音が硬くなり、繊細な表現を失ってしまいます。またアンプの出力が大きければ大きいほど影響が大きくなるため、ハイパワーアンプではこの方式はふさわしくないでしょう。バランス入力に対応しているハイエンドアンプをよく見ると、内部はバランスではなくシングルエンドだったりします。
またこのような質問を受けたことがあります。
Formula Sは本当にA級アンプですか、なぜそんなに熱くならないのですか。
Formula Sはもちろん純A級アンプですが、出力は約2W+2Wで、4Wをちょっと超えたくらいです。設計効率は約20%、消費電力は20Wちょっとです。温度が高くならないように設計しており、長い間使えるようになっています。あるA級アンプが卵を焼けるくらいの温度にさせるのはやりすぎではないかと思います。効率を低くさせたところで、音質がよくなるとは限らず、またこのように熱くさせたら、使われた高価な部品の寿命問題が浮上し、長期的な耐久性が心配です。
Formula Sの設計追求は回路の仕組みだけではありません。部品1つ1つを動作タイミングが1番いいところで使うべく、温度まで追求し、お互いの相性を何回も実験しながら、やっと相性が最高の部品選定を達成したのです。Eleven Audioは回路設計だけのいい製品はただ単のよくある機器だと思っています。
Formula Sでは、私たちが長年積み重ねてきた業務機への経験とハイエンドオーディオ機器の新解釈を用いて、良い相性を具体的に実現することができました。このセンスが機器に魔法を加え、機器が機器の枠組みを超え、魂がある音楽を再生するための重要な役割を持つようになるのです。
オーディオ愛好家の方々は誤解なされているではないかと思います。MOS-FETは真空管みたいな音、要するに滑らかで暖かい音だとよく言われますが、それ勘違いだと思います。MOS-FETの入力抵抗は真空管と同等レベルですが、寄生容量は真空管の何倍もあり、比較になりません。MOS-FETを使えば真空管みたいな音がするわけではないと思います。よくできている真空管アンプはもちろんいい音がしますけど、バイポーラトランジスタは、MOS-FETよりはるかに優れた素子です。
Formula Sはリファレンスクラスの回路設計、構造のディスクリート, A級、そしてBJT出力のソリッドステート・シングルエンド(Solid State Single End)アンプです。従って、Formula Sと名付けしました。
Formula Sがシングルエンドの仕組みで、巨大な駆動力でありながら、制御力を持ち、繊細なサウンドを実現できて、私は一デザイナーとしてとても満足しています。
Formula Sと駆動の難しいヘッドフォンを組み合わせて聴いてみてください。個人的にも好きなHE1000 V2、抵抗の高いHD800といったヘッドフォンとも相性が良く、サウンドスデージが広くなり、中域の密度が出て、HD800にも低域があることが分かります。Formula Sは駆動力が求めているヘッドフォンの最高のパートナーなのです。
入力端子:RCA1系統
出力端子:1/4″ (6.3 mm), 4 pin XLR, 3 pin XLR x 2
ゲイン切り替え機能:10dB(Low), 16dB(High)
出力パワー:2.1W(2100mW) (46Ω負荷)
インプットインピーダンス:10kΩ
入力感度:1V
THD:0.0006%(300mW出力時)
ノイズフロア:-110dBV
サイズ:24 x 29.3 x 13(cm)
重量:4.8kg
カラーバリエーション:シルバー、ブラック
標準的な小売価格:577,500円(税込)
※2024年11月1日より495,000円(税込)
JANコード:4589631461139
※受注生産
※上記仕様は製品品質向上のために予告なく変更する場合がございます。
※2023年11月より、「XI Audio」は「Eleven Audio」に表記・ブランドロゴを変更しました。現行製品の写真は旧ロゴでの掲載となります。本国在庫が切り替わり次第、随時写真とマニュアルの差し替えを実施いたします。現行製品につきましては、本国の在庫がなくなり次第、随時新しいロゴへの印字に切り替わります。